今日の一枚 / ツィリヒタロット・ソードの4 TRUCE
2021.11.24
ソードの4 逆
TRUCE
天秤座の木星
セフィラ:ケセド(慈悲)
◇◇◇
休息の終わり。
物事は動き始める。
何のために
何をするのか。
心が定まったのなら
気合を入れ直して。
◇◇◇
TRUCE = 休戦。
付属の解説書には、
「苦難の後の一時的な休息(微妙な平和)」とされています。
お互いに戦い抜いて、ようやく辿り着いた停戦の円卓。
その安息は、丘の上の石のように不安定なものではあるけれど、良き方向への転換を示します。
その背に背負った聖アンデレ十字に、4=安定(平和)を求める心や、大切なものを貫く確かな意志を感じます。
兜の前立ての色は、戦う闘志や勇気を失っていないことを表しているのではないでしょうか。
逆位置だと、石は転がり始める。
物事は動き出し、そして明るい方向へ向かって、もう一度踏み出す決意をしたように感じました。
◇聖アンデレ十字とは◇
十二使徒の一人・アンデレさんが、布教の末、磔にされた X 字型の十字架(英語ではセント・アンドリュー・クロス)。
「師(イエス)と同じ形では畏れ多い」と自らX字型を希望。
苦痛を長引かせるために、あえて釘で打たず縛る(固定する)方法だったとか。
十字架にかけられ二日間、苦しみながらも、最期まで大勢の人々に教えを説いたそうです(二万人との説有り)。
◇◇◇
ツィリヒタロットの小アルカナは、トートタロットをベースにしているのですが、このカードは印象も解釈もかなり違ってきます。
◇象意◇
背景の青は明晰さと知性を。
蜘蛛の巣状の模様は困難や葛藤、複雑さを。
聖アンデレ十字は苦難と受容を。
緑はそのスペースが保つ平和と創造性を。
向き合った剣は拮抗・膠着を。
四隅の剣の柄は固定・硬直を。
大輪の薔薇の花飾り(ロゼット)は公認の印と社会的調和を。
ピリッピリしてますね(笑)。
勢力の拮抗、社会的良識(知性)が保たれた場所での受容、妥協…それぞれの落としどころを見つけた休戦、といった感じでしょうか。
問題が解決したわけではなく、物事を動かそうとしない、一時停止した状態。
次のソード5で崩壊が待っているので、ツィリヒのように良い兆しは感じられません。
クロウリーさんは、戦わないその姿勢を、意気地がないとか怠惰とか表現しているので(笑)、良しとしていないようですね。
そう言われると、現実逃避にも見えてきてしまいます。
けれどその受容を良しとすれば、行動を起こすより休む時、現実をあるがままに受け容れる、考えても仕方ないことは(とりあえず今は)考えない、いい意味での諦め、とも受け取れます。
スプレッドだと他のカードとの関連にもよりますが、トートでは、その休息が必要かどうか、考えてみるといいのかもしれません。
◇◇◇
ツィリヒの解説書では、象意をあまり詳しく書いていないので、トートやウェイトと比較して象徴を探したり、解説文や絵から感じ取れるストーリーというか、私なりの絵解きを大事に読んでいるんですが。
このカードは、ツィリヒの明るい兆しに救われた気がしました。